Q&A SE構法 よくある質問(FAQ) /お客様より

SE 構法について、お客様より寄せられるご質問にお答えいたします。

Q1 SE 構法は、どの程度の地震まで耐えられるのですか?
A 耐震性能を説明するときに、「震度6弱」等という表現がありますが、この表現ではNCN(※1)は適切ではないと考えています。震度階というのは、気象庁が定めたもので、建築防災分野では地震動の「加速度」「速度」「周期と波形」の指標で判断しています。一般に日本の地震の歴史として阪神淡路大震災での神戸で観測された地震波が木造住宅に甚大な被害を与えました。東日本大震災では、3900gal、100cm/s、1.1/hsで震度7を観測していますが、木造の被害は少なかったのが報告されています。SE 構法は阪神淡路大震災の829gal、110cm/s、1.1/hs の地震動でその耐震性を確認しております。
※1:NCN とは 耐震構法SE 構法の供給元
Q2 なぜ、SE 構法の梁と柱には、構造用集成材を使用するのですか?
A いまでは、木造住宅(在来軸組工法)でも構造用集成材を使用するケースが増えてきましたが、これまでの木造住宅(在来軸組工法)において、一般的に使用される無垢製材は強度性能のバラツキが大きく、流れ節などで梁が折れることがあります。一方、構造用集成材は「科学された木材」と言われ、製造過程の一枚一枚の板の段階で節の大きさや曲げヤング係数を計測・選別して製造しており、性能表示された構造性能が安定しています。構造の安全性を保証するSE 構法は部材の信頼性を重視し、全て構造用集成材を使用しています。
Q3 構造用集成材は剥離することはありませんか?
A 構造用集成材の接着性能は安定しており、剥離(※1)することはありません。昭和40 年代の合板は接着性能が低かったため剥離することが度々あり、接着剤は剥離するものというイメージが残っています。一方、SE 構法の構造用集成材は全てNCN が指定してJAS 認定工場で製造されており、また接着剤の塗布管理等を常に検査していますので集成材の接着の信頼性は高く剥離することはありませんのでご安心ください。
※1:剥離(はくり) ※2:合板(ごうはん)
Q4 集成材の耐久性はどれくらいありますか?
A 集成材は120 年前に欧州で開発され、1927 年建造のコペンハーゲン中央駅では建造当時の集成材が現在も駅舎の構造躯体として利用されています。現在では接着技術も向上していることも考えると、木材部と同等の耐久性能を有していると考えられます。
Q5 SE 構法の構造計算と在来工法の許容応力度計算では何が違うのですか?
A SE 構法の構造計算は、立体プレームモデル(接合部にバネがあるモデル)で立体解析を行っており、床や屋根の水平構面は変形する前提で解析しています。また、接合部や層間変形角の確認など高度な構造特性を活かした構造設計をおこなっています。一方、在来工法の許容応力計算は、床や屋根の水平構面は剛体(変形しないもの)と仮定して応力解析しており、床に吹き抜けのある場合等の詳細な検証ができていません。SE 構法の構造計算は鉄骨構造やRC 構造と同じものであるのに対し、在来木造の許容応力計算は木造住宅専用の簡易的な計算手法と言えます。
Q6 在来構法の耐震等級1と建築基準法の耐震性は同じですか?
A 本来、耐震等級1と建築基準法の求める基準は同じであるべきですが、建築基準法が定める壁量計算の荷重が軽すぎたため、在来工法の耐震等級1と建築基準法で定める耐震性は、正確には同じではありません。それを受けて、品質確保促進法の性能表示では、建築基準法の耐震性能を是正するために、耐震等級1は、建築基準法で定める耐震性の1.24 倍としており、耐震等級1により安全性を高めています。
Q7 在来工法の耐震等級3とSE 工法の耐震等級3では、違いがありますか?
A 在来工法では、壁量(筋交いの本数)に基準を設け、最低の壁量に1.5 倍にしたものを耐震等級3としています。これは、実際の構造性能をみると、無等級製材(強度が不明確な製材)を使用しているケースが多いため、構造性能にバラツキが大きいと言わざるをえません。一方、SE 構法は、鉄骨造(S 造)や鉄筋コンクリート造(RC 造)と同等の高度な構造計算に基づいており、さらに、実際の構造部材に構造用集成材と接合金物を使用し、品質が安定した部材を使用することで、安定した性能が確保されていますので、非常に明確な根拠に基づいて、耐震等級3を設定しています。
Q8 在来工法の壁量計算は、SE 構法の構造計算と同じですか?
A 一般的な木造住宅で行っている壁量計算は、構造計算ではありません。壁量計算は、地震と台風等の水平力に対して必要な壁量があるのかをチェックしているに過ぎず、梁のサイズや柱の太さの安全性のチェックはされていません。したがって、雪が積もった場合の梁のサイズや、積雪時に地震が来た場合の計算は、壁量計算ではされていません。
※SE構法の構造計算についてはこちら
Q9 構造用集成材の接着剤からの科学物質の揮発は大丈夫ですか?
A SE 構法で使用する構造用集成材及び構造用合板は、JAS 法に定めるF☆☆☆☆のものを供給しています。
※JAS 法について:日本集成材工業協同組合ホームページ
※揮発(きはつ)
Q10 SE 構法は火災に強いですか?
A 集成材は通常の木材と同じように燃えますが、無垢製材等のように乾燥割れが少ないため「燃え代計算」という設計手法(燃え代設計※1)により準耐火地域においても室内に梁を「あらわし」仕様で準耐火建築物にすることができます。
※燃え代設計(もえしろせっけい)
所定時間の燃焼後、燃え残った部分のみで構造部分の所定の必要耐力が残っているかを計算する設計手法です。