貝殻が環境に影響を及ぼしている。と言われると、「え?」と思うのではないでしょうか。
貝殻は自然界のもので、環境に影響を与えているとは考えにくいというのが一般論かもしれません。
しかしよく考えてみれば、貝塚と呼ばれるものが地中から何百年もそのままの状態で発掘されていたり、海岸沿いに無作為に捨てられたカキの殻が白くなっていることはあっても、その形がなくなっていくところを見たりといったことはないのです。
そのことを考えれば、なるほど貝は自然界では分解されないのだなとわかります。
これは炭と同じで、人が何かしら手を加えないと分解できないものと認識するべきなのでしょう。
その分解されない貝の殻、実は水産業や養殖業などから排出されている年間の廃棄量は約700万トンにも及ぶのだそうです。
同時にこれらを廃棄するために膨大な費用が掛かっているというのです。
その貝殻の利用方法を「Studio newtab-22」というデザインチームが建築用タイルとして生まれ変わらせることに成功したそうです。
驚くのはその強度。なんとコンクリートと同等の強度を保有することに成功。
また、製造方法も環境に影響を与えないようにと火や電気のエネルギーを必要としないのだとか。
海外のスタジオのもののため、まだ日本では流通していないタイルですが、表面の質感なども気になるところです。
ストライプ柄のブラックタイルあたりは、浴室やホテルのエントランスなど、高級なデザインスペースにも合いそうな雰囲気はあります。
今後の動きに注目したいところです。