プライバシーを意識しすぎた現代家屋
近年プライバシーに対する過剰な意識が見て取れるようになった。住宅においては「のぞかれる」ことを過剰に嫌い家屋の中では完全に外部と遮断することが好ましいという傾向にある。これに関して異論があるわけではないのだが、遮断という選択は同時に別のデメリットを伴うことになった。それが今回取り上げたい「風通し」である。
風通しの良い家とは
風の方向というのは地域によって異なるため、住宅を設計する場合にはその地域の設計事務所に依頼するのが理想であるといえる。例えばここ東海地区では北西の風が強く吹くため、北西に玄関をもってくる際には雨風などの影響が玄関に及ばないように計画する。風通しが良い家にするためには、風の吹く方向、もちろん天気によって向きは変わるのだが、その地域の最も吹いてきやすい方向からの開口部と出口となる開口部がそれぞれ適した箇所にあるかによって風通しの良しあしが決まってくる。
プライバシーによって取り入れにくくなった風通し
プライバシー確保によって、昨今の住宅の多くが外に閉じ中に開くデザインとなった。そのため中庭では気持ちの良いプライバシーの保たれた空間を維持できることとなったが、反面風通しは以前の開放的な住宅に比べ格段に低下した。風通しが良い家にするためには、やはり大きな開口部が必要なのである。
大きな開口部を設けるためにSE構法を選ぶ
風通しの良い家にするために、大きな開口部を風の入口と出口に設ける必要がある。例えば古い日本家屋では、南と北の窓がすべて吐き出し(床まである開口部のこと)であり、8畳の畳部屋が南北2部屋あるにもかかわらず気持ちの良い快適な夏を迎えることができていた。今では地震対策などで耐力壁を設けなければならず、南北の2間続きの部屋での大開口は消極的になってきているが、SE構法であればもっと大きな開口が可能となる。
耐震性と通気性を考慮するとSE構法にたどり着く
結論から言えば、風通しを確保し、耐震性を維持する住宅の新しい形は重量木骨のSE構法一択となる。南北に開けた開口部と開放的な大スパンの空間を維持できるSE構法は、鉄骨やRCではできない、木造ならではの良さと耐震性を兼ね備えた新しい住宅のスタンダードだ。大手ハウスメーカーでもその技術を売りにしているメーカーもある。大手の信頼した技術であるSE構法をあなたの自宅にも取り入れてみませんか。