さて前回・前々回に続き、2021年の住宅設計の変化を考えていきたいと思います。
より開放的な空間を求め、内壁もガラス張りに
前回は外部との開口部のお話をしました。
外部の開口部も床から天井までの巨大な開口部となり、より明るく、より開放的な空間になっていくわけですが、続いて内壁もガラス張りで開放的に変化していくのではないかと考えます。
在宅ワークに変わり、閉ざされた空間での時間は集中力こそ高めますが、同時に人を閉鎖的に非社交的に、押しつぶしてゆく空気の圧を感じるようになります。
春には春の陽気を、夏には夏の日差しを、秋には秋の匂いを、冬には冬の暖かさを
季節の移り変わりが感じられる空間を求めたとき、部屋の開口部のみならず、内壁の閉鎖感もとっぱらってしまいたいと感じるようになるでしょう。
天然木素材使用の減少
一時の流行で、自然素材を活かした住宅がブームとなり、外壁に板を張ったり、石膏ボードを使わない住宅が増えました。
2021年では、これらのブームが過ぎ天然木素材使用の住宅が減少していくのではないかと考えます。
理由は、木の風化によるメンテナンス時代の到来です。
木材のブームは経年変化の趣(おもむき)がクライアントの心をつかみ、人間本来の生活、日本人の原点への回帰といった流れを作ったように感じます。
しかし、時間が経ち木材が徐々に変化していくにつれ、メンテナンスの大変さや意外なコスト増が問題となって降りかかってきます。
コロナで減収が続いた世帯ではなおのことメンテナンス費用の捻出に苦労するでしょう。
2021年といわず、2021年以降どこかでその節目がやってくるような気がします。該当のお施主様は心の準備が必要かもしれないですよ。。。
と、今回はここまでとなりますが、次回は天然木材に変わる素材を考えてみたいと思います。
ではではまた次回。