住宅設計において「コンセプト」が必要ないとお思いだろうか?否、そんなことはない「コンセプト」はモノづくりにおいて必ず必要なプロセスなのだから。
もちろんすべての方が「コンセプト」をもって住宅を選んでいるわけではないと思う、そこは個人個人自由であり第三者が口出しするものではありません。ただ、コンセプトがあることで「暮らし方」が大きく変わってくることをご理解いただけると嬉しいです。
住宅における「コンセプト」の役割とは
「コンセプト」とは「全体を貫く基本的な観点・考え方」です。つまり住宅でいえば「デザイン」「カラー」「素材」「空間」「間取り」「動線」すべてが一つの同じ観点から設計されることが「コンセプト」をもった住宅と言えます。「コンセプト」は何かにつけて「決定」する際の材料となります。例えば「シックな落ち着いた空間」というコンセプトを設定したとします。すると室内の壁紙で「花柄」のかわいらしいピンクの生地は選ばないでしょう。照明器具を選ぶ際にも、「落ち着いた」というコンセプトがあるので、明るすぎない照明器具を選ぶことができます。つまり仕上げ材や設備はもちろん、外観やカラーといったお施主さんが選択して決定する際に、迷いを少なくし選択支を絞り込むことができるのです。
どういったコンセプトがオススメ?
個人的に「旅館」というコンセプトや「カフェ」といったコンセプトが好きです。「旅館」ではお風呂の設計にこだわりを取り入れて設計したり、廊下一つにしても「歩くことが楽しくなるような雰囲気」を作り出したりします。「カフェ」というコンセプトは少し自由度があるため、どういったカフェなのか?という細かいディレクションが必要になってきますが、例えばスタバのような雰囲気が好きなのであれば天井は少し高め、壁紙はダーク調に、キッチンにはカウンターを取り入れたり、黒板のようなものを設置したり、家にいながらカフェにいるかのような気分で生活できる工夫をします。また、過去に「Jazzの似合う空間」というコンセプトをもって設計したこともあり、この空間ではカラーの選択がアイビーとダークブラウンの2色に絞ったことで、飽きのこない廃れない住宅にすることができました。
住宅の設計の際には、お施主さんのコンセプトをお聞かせください。
このようにコンセプトがあることで、カラー設定、方向性などが統一され、お施主さんとの打ち合わせがスムーズに行うことができます。ぜひ住宅をお考えの際にはあなたの「コンセプト」をお聞かせください。きっと住みいい暮らしのデザインが可能になるでしょう。