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あがりかまち(框)って何?

カマチって言葉、あまり耳にしなくなってきたので知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
カマチ(框)とは、敷居などのちょっとした段にある横に走る材を言います。
床の間にある段の縁を「床框(とこがまち)」といい、玄関の靴を脱ぐところにある段を「あがり框」と言います。
そもそも框にはどのような意味があるのでしょうか?
ということで、今回は「あがり框って必要なの?」というテーマで語ってみたいと思います。


画像:DAIKENより

無くなりつつある上がり框

昔の住宅では各部屋ごとのドアの下に「沓摺(くつずり)」と呼ばれる3センチ程度の段差がありました。段差は隙間風の多かった家屋の冷気などを入れないための工夫として当たり前のものでした。しかし足の不自由な方、高齢者の転倒防止策として「バリアフリー」が推奨されるようになって、住宅や公共の建物から段差という段差がなくなっていきました。
そのおかげで現代の住宅は昔に比べ、より安全かつ快適になったように思います。
反対にドア下の隙間風や音漏れ、ホコリの持ち込みなどの小さな問題も増えたかもしれませんが、掃除機のかけやすさや、つまづき・転倒などのリスク回避を思えばそれらは些細なことのように感じます。

玄関の上がり框も同様に、車椅子の利用者にとって段差は大きな障壁でした。
昔のように土間があって、砂埃を遮らなければならないという必要性がなくなってきた現代では、上がり框の段差がそれほど重要ではなくなってきたことと、バリアフリーの考え方が重なったことで、上がり框が必要という概念がなくなり、フラットに近い玄関ができあがりました。
現代のマンションでも玄関の上がり框は約10センチ程度から5センチ程度に。個人の住宅でも30センチ程度から10センチ程度へと高さに変化がでてきました。
このまま上がり框はなくなってしまうのでしょうか?

正直なところ、土間が好きな人、ほこりっぽいのが嫌いな人、昔ながらの暮らしが好きな人、土を触りたくない人、人の思いはとても自由です。
家の形も家の間取りも、家族のあり方も、暮らし方も自由です。
ですから、上がり框が必要か不要かということは結局のところその家で暮らす方々の自由な判断でいいのかなと言う気がします。

住宅は温故知新。古きを学び、臨機応変に時代に合わせて変えていくスタイルで行きましょう。


2020.07.25 | Posted in 住宅用語, 住宅設備 |  

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